広島大学教育学部第二類技術・情報系コース
 
 

メカトロニクス創造実習MECHATRONICS

 

メカトロニクス創造実習は,中等教育の技術科や工業科の教育現場においてものづくりの教育を実践できるように,技術・情報系の3年生に配当された必修の授業です。与えられた課題に対してグループで問題解決を行い,企画・設計,調査・開発,試作・製作および,発表・評価,報告等に関して,実践力を高め理解を深めるために行います。 

 

企画・設計

 メカトロニクス創造実習では,企画や設計の段階を大事にしています。課題に対するアイデアや企画を出しても,それらが妥当でなければ課題は解決されません。さらに,アイデアを実現するための設計も適切に行なう必要があります。ロボットを単に製作を製作して失敗したという結果とならないよう,教員が企画や設計に対して実現可能かどうか厳しくチェックします。 

               
 

 

調査・開発 

使用するセンサーやモーター等を決めたら,それらを使いこなさなくてはなりません。使ったことのないセンサーやモーター等はどのように使用するかを仕様書を調べる必要があります。また,どのような回路やプログラムを準備すれば良いのかをよく考え,ロボットを開発していく必要があります。本来は企画・設計段階でよく考慮すべきですが,センサーやモーターを実際に使用してみて課題解決のためには必ずしも適切ではないことが分かった場合には,企画・設計を見直す必要も出てきます。 今後,新たな技術を搭載した製品が出てくることを考慮すると,将来に渡って対応できるための力を十分に付けておくことが大事です。自ら調べ学ぶことにより,様々な状況に対応できる力を身につけることを私達教員は期待しています。

 

 

試作・製作

 設計図,回路図等の準備が整ったら,実際に製作に入ります。しかし,ハンダゴテ等を使っていきなり電気回路を製作することはありません。まず,ブレッドボードで電気回路やマイコン等に誤りがないか試作する必要があります。試作が済んだら,実体配線図でどのように部品を配置するか決めて電気回路等を製作します。一か所でも間違っていたら思ったとおりに動かないため,回路を製作する際には一つ一つの部品を正しく取り付けられているか確かめながら作業を進めることが大事です。

 

発表・評価

 メカトロニクス創造実習には,アイデア発表会,中間報告会,最終発表会があります。アイデア発表会では,どのようなアイデアで課題を解決するかを発表します。グループでお互いに建設的な質問や評価を行なうことにより,より良いものへと改善します。また,最終発表会では,どのように設計・製作等を行ったか発表し,実際にロボットを動かして成果を報告します。

 

最終報告

最終発表会後に,説明書,設計計算書,部品図,組立図,部品表,プログラム,電子回路図等を提出します。設計図等は,製作したロボットを再現できるようなものを提出することが大事です。実際に製作したロボットに基づいて考えることができるため,総合的なものづくりへの理解をより具体的に深めることができます。

 

授業の準備や改善

教員もこの授業がより良い授業となるよう,ロボットの課題について考えたりフィールドを準備したりしています。教員は過去のロボットの出来栄えや動きを見ながら,どのようなことで本授業の受講生が苦労しているか,またどのようにすれば効率よくものづくりを伝えられることができるかを考え,日々の授業にフィードバックしています。メカトロニクス創造実習を通して,学生だけでなく教員も知識や経験を蓄積し,より良い教育のために日々努力しています。